イタリア自動車雑貨店
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第3回 もうこんなクルマ現れない FIAT Panda


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


必見!!『カーマガ』パンダ特集号

 パンダ君のことを詳しく知りたい人は、第何号だか忘れたけれど『カーマガジン』のバックナンバーを買って読もう。パンダ特集号。なかでもサイトーヒロユキによる設計者ジョルジェット・ジウジアーロへのインタビューは出色。その記事一本で、定価+送料払ってオツリがくるくらいの価値がある。読むと、きっとアナタもパンダがほしくなる。もっといえば、この情報を知り得ただけでもアナタは当コラムを読んだ甲斐がある。

 そういうパンダ君。これ読んでる人は知ってると思うけど、正規モンの新車はもうない。しかも中古がエラい高値安定。パンダカップの盛り上がりでドーンと値が上がり、そのうち冷えるかと思ったらずーっと変わらず。ヨンクやオートマならガタ落ちかと思うとそうでもない。でも並行モンならまだ買える。

 なにせイタリアではトップ3人気間違いなしの現役モデル(ただしドイツやフランスやスイスではトンと見かけない)。台数作りまくったせいでプレス型がスリ減って外板の平滑度が多少ヨタってるかもしらんけど、バリバリ新車でエアコンなしなら98万円(本国での邦貨換算価格は60万円ぐらいか)。正規モンの中古だったら5年落ちでもどうかという値段だ。

 イタリア自動車雑貨店員コマキタローにきいたところ、お店のお客さんで並行新車を買った人も何人かいるらしい。いや、実にめでたい。というかアッパレ。買うべきクルマをちゃんとわかっとるねえ。皆さん。

 こないだチョイ乗りしたところ、並行パンダは実際スゴくヨカッタ。もちろん並行じゃなくてもパンダはスゴくヨカッタけれど、あえていうとすれば並行モノでしか乗れない古〜いOHVのエンジンがタコの反対だったのが非常に朗報で。というのは個人的に心配してたんですね。正規モノのFIREエンジンは絶品だけどアレはどうなのかと。で、それが杞憂だったとわかったと。ウルサくて振動のカタマリじゃないかと思ってたけど実際は非常にこう、スウィートで。で、イザ乗ってよければ、「オリジナルのパンダに乗ってたエンジンはこれだもんね」とかって自己満足もなおさら盛り上がるし。

 私が乗った個体に関していうと、唯一の難点は姿勢の水平が出てなかったことですか。左右どっちだったか忘れたけど、前の片側だけがミョーに沈んでた。で、ドライバーが乗ると多少水平に近づくという(笑)。ということは右前が沈んでたのか。そういう症状はまあ、もし買った場合に出てたとしてもお店で直してもらえるでしょう。バネかダンパーか交換すればいいだけの話だろうから。並行パンダ買おうって人がそんなコマいこと気にしちゃいけない。



肩の凝らない歴史的傑作大衆車

 並行正規問わず、パンダの魅力はまず全体のコンセプトから細部にいたるまでデザイン=設計とその背後にある思想というかユーザーへの愛がめちゃめちゃ深いこと(そのへんは『カーマガジン』バックナンバー参照ヨロシク)。あと、古さと新しさの案配が絶妙であること。イマの感覚で乗れるイマのクルマとしてはもっとも古色蒼然としている。逆に、特定の(ほぼ)個人がほぼ全面的に設計を担当した=あちこちからいらんチャチャが入ってオリジナルデザインの純度が薄められていないクルマとしてはもっとも新しい。さもなくば、ミニや2CVやキャトルやビートルの仲間みたいなクルマとしては最新。

 パワステなしでもハンドル軽し(似たようなクルマなのにジオメトリーの考えかたが違うのかY10 はずっと重たかった)。遮音材ロクになくとも騒音気にならず。そしてこもらず。乗り心地はアタリまろやか。快活な走り。いや、ウソじゃないのよ。

 たとえていうなら、いまの多くのクルマとパンダの違いは鉄筋コンクリート+エアコンと和風木造+風鈴の違いみたいなものじゃないでしょうか。つまり、気持ちよさを得るためのアプローチが対照的。つきなみな表現ですが。あるいは、最近流行りのカバンというかトランクでいうと味わいとしてパンダはグローブ・トロッターに近い(実はモリケータもいっこ持っていて、ここ12年間で合計100回ほどは飛行機への/飛行機からの積み降ろしを経ているがまだ全然問題なし)。

 設計が新しいせいもあってか、パンダはミニあたりと較べて物理的にも心理的にもはるかに肩の凝らないクルマである。いってみれば、ユニクロやギャップの感覚で乗れる歴史的名大衆車。もう出ないですよ、こんなの。というか、いまパンダ買って乗ろうと思えばそうできるアナタは非常にいいタイミングで地球に生まれてきたといってもいい。



イタリア自動車雑貨店の物置きパンダとは…


 ところで今回、話のネタにと思ってイタリア自動車雑貨店のパンダにチョイ乗りしてみた。94年か95年ぐらいの正規モノFFマニュアル。走行距離8万5000km。店主オータによるワケのわからないモディファイがテッテー的にほどこされた非常にヘンな個体だ。おそらく、パンダを好きな人が見たら「こういうのだけはゼッタイ買わんとこ」と思うこと間違いなしの。そういえば、リアシートがなかったような。捨てたのか。

 キーの回転じゃなくスイッチぱちんのエンジン始動やレース用バケットシート×2や小径ハンドルや内装ナシ等々は「あーあー」だったが、乗ったらこれが程度ヨカッタ。エンジン、スウィート。触媒取っ払い+マフラー取っ替えのせいか排気のヌケよし(そのぶん低速トルクも若干ヌケ気味)。甘く野太い排気音けっこう魅力的(各種低級音をマスクする効果もあり)。中古パンダに特有のギアボックスからのジャラジャラ音、なし。ボディのヘタり、特にそれらしき兆候なし。エンジンマウントのヘタりも特になし。乗り心地、良好。エアコン、まだついてる。

 この好感触は、おそらく店主オータが自宅と店とを高速道路で往復(遠慮なくトバしているのは間違いなし)するのがもっぱらの使われ方だったせいだろう。つまり、都心のド渋滞下でのノロノロや発進加速のシツコい繰り返しをあまり体験していないからこその程度のよさ。要するに、イタリアで使われる状況に近かったからではないかと。

 でもってこのヘンな(見た目の)パンダ、場合によっては売ってもらえるかもしれない。私がチョイ乗りしたときも、看板グルマのはずのパンダ君は店の横の駐車スペースであわれ物置きと化していた。またよく入るんだ、パンダ。段ボールとかイロイロ。仮に売るとして店主オータがこのパンダにいくらつけるか知らないが、中古車ウォッチャーの私にいわせれば上限25万円ぐらいでしょう。いや20万円ぐらいか。いっそのこと、お客様大感謝プライスとして15万円ぐらいはいってもバチは当たらない。あるいは、「専用マフラーをオーダーするとパンダが1台ついてきます」(笑) とか。

 ハタで見てると、オータさんてどうもイジることそれじたいが楽しいみたいなのね。ナンかマメな人なんですよ。ステッカーの貼りとかもそれなりもっともらしいんだけど、でも具体的に「こういう感じのパンダに仕上げたい」っていう明確なビジョンはたぶんない(あれであったらかえってコワい)。

 それなんで、雑貨店パンダは見た目にかなり正体不明。できそこないの“デトミニ”=イノチェンティ・ミニ・デトマソみたいにも見えるし。でも乗るとイイ。いままで乗った中古パンダのなかでいちばんヨカッタ。ということで20万円前後で買えるなら非常にオススメ。エンスー諸君から白い目で見られることを除けば問題なし。現状でサクサク楽しく乗れることを私が保証します。本気の人は、店に電話して「モリケータさんの紹介ですけど」といってくれれば・・・たぶん切られるか。
 以上、パンダはイイよというお話でした。





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