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第13回 中古並行稀少車の10万キロストーリー Alfa Romeo 164 Q4


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


無理やり作らせた!くねくねマフラー
 164Q4といっても、今回のクルマはそんじょそこらの164Q4とはモノが違う。だってドイツ並行。しかも現在の走行距離(少なくとも)約10万km。だいたい、164Q4というクルマそのものが「そんじょそこら」という表現のまったくあてハマんない存在である。それこそ、スーパー度でいったらテーマ8.32に負けず劣らずの特殊アルファ。ヒトゴトだと思うと、どういうことになってるかよけい興味わくでしょ?うへへ(黒い笑い)。

 外観、まあ普通にキレイ。でもって横、いや後ろのっけてもらって走り出すといきなし暑い。窓が開いている。この陽気に、エアコンつけずに走るわけ?エンスーだから?
「いや、コワれてるんですよ。効きがアマかったんで主治医が気ぃきかしてクーラント補充してくれたんですけど、そしたらアツがかかりすぎてパイプが割れて」
 オーナーの後藤育朗さん。75新車→155新車ときて、3年前にこの164Q4をゴコーニュー。
「しかも、そのパイプがいま欠品中。しかたないんで割れたのを直そうと思ってます」
 つーことで感想その1。エアコンのコワれた164Q4は、暑い日に乗るとかなりカッコ悪い。だって新車時750万円のクルマよ?130TCあたりだったら大いにともかく。しかも、車内にはヤローが3人。暑苦しいったらもう。

フジツボに無理やり作らしたステンのマフラー。「もう二度とやらん」(フジツボ談)
 後ろ乗っててもわかることに、ゴトーさんの164Q4は7年前に乗った広報車とは排気音がナンか違う。ノーマル状態の164Q4の排気音は“ロロロロ”だったけど、この個体の場合は“ZZZZ”(イビキかいて寝てるわけじゃないですよ)系の成分が目立つ感じ。ナンかあったんですか?エキパイ割れてるとか。
「最初ついてたノーマルのマフラーがサビて終わっちゃいましてね。それで、フジツボに頼んで作ってもらったんです」
 あらまあ。よく作ってくれましたね。
「最初イヤだっていわれましたけど、“Q4じゃなくてQV(注:クワドリフォリオ)だから”ってウソついて無理やり置いてきちゃった」
 (笑)。じゃあ、もう型はとってあるからこれから先Q4のマフラー頼む人は話が早いと。
「でも、向こうは“もう二度とやらん”っていってましたよ。ホラ、形状とか取りまわしとか複雑じゃないですか。Q4のは」
 あーあ。あとこれ、シートが日本仕様とは違いますね。
レカロ(日本仕様はそれだった)のシートよりもドラポジがイイ!座ってスッとキマる。たぶん着座位置が低いんでしょう。というか、ヘンに高くなってないんでしょう。

「そうなんです。レカロじゃないレザーシートがついてまして、シート形状もレザーの質も日本仕様とは違います。こっちのほうが柔らかいですよね」
 というか、こんなに見事にレザーがテカッた164Q4というのは初めてだった。どうやらこの個体、前にも後ろにもちゃんと人間を乗せて使われていたみたいですね。つまり、しっかりと役にたっておったと。あるいは役にたっておると。だいたい、走行約10万kmだからさぞやと思っていたのに乗ってて全然ナンてことない。スゴいね。
「日本にきたとき5万km。でも、ドイツに4年いてたった5万kmってことはないでしょう。だいたい、メーターコワれてましたし」
 明るくおっしゃる。164て、クランクシャフトのエンドシールからのオイル漏れがお約束らしいじゃないですか。
「ああ、漏れましたよ。でも、シント2000をモチュールにかえたら漏れなくなりました」
 モチュールって、300Vですか?
「ええ」
 ところでヒトツうかがいますがゴトーさん、日本に164Q4って何台ぐらいいるんですか?
「24、25台ぐらいじゃないですかねえ」
 あらまあ、少ないですねえ。

唯一無二の‘ビスコマチック’

 さあお待ちかね(笑)のプレゼントコーナー、じゃなかったドライビングインプレッション。あるいは程度のチェック(ヤなインプレだね)。感想その2として、164Q4ゴトー号は機関の調子がモノすごくヨロシイ。ギアレバーの操作感が新車と較べてちょっとグジャッとしてたかなという程度で、あとはホントにゴキゲンだった。やっぱ、ちゃんとしかるべく回して使ってやってる(ドイツでは間違いなくそうだったろうしまたゴトーさんもそうだった)エンジンは腐ンないのね。ギアボックス内の歯車もキレイに回ってた感じだったし。あと、エンジンマウントのヘタリも気にならなかった(パワートレインをギクシャクさせる乱暴ないしヘタクソな運転をシツコクやっているとヘタりが早い)。

キャノンのA-1!!しかもモードラつき。なんでもゴトーさん、すごくきっちりメンテする人みたい。
 ということで、感想をひとことで表現すると「やっぱ164Q4はえーなー」。ただ、ダンパーは明らかにヘタっていた。無交換だとしたらまったくムリもないことだけど。
「そうなんですよ。4WDの制御と関連してるから純正品しかないなってことで取り寄せました。幸いにモノがあって7月アタマに入ってくるんですけど、ブッシュ一式もコミで値段が60万円」
 あらまあ。
「しかもそれ、ディーラー通さない値段ですから。ディーラー通したら、いったいいくらになるのか……」
 164Q4の4WDシステム(ビスコマチック、という名前はゴトーさんに教えてもらって知った、というか何年ぶりに思い出した)は、簡単にいってすごい特殊である。ナンでも、前後の動荷重に応じて駆動力配分を変えるらしい。
「駆動力が、まずいったんすべてセンターデフに入ってそれから前後に配分されるんです」
 ああそうなんですか。その昔、CGにクマクラさんが解説書いてましたっけねえ。私読んだんですけど内容よくわからなくて。
「私も読みました」
 ああそうですか。世界中でこの164Q4にしか使われていないヨンク。ナンかあったらタイヘンそう。
「まだそのへんのトラブルは出てないみたいですけど」
 ちなみにゴトーさん、164オーナーズクラブに入ったのは各種トラブル情報を求めてのことだったそうだ。それがいまや「事務局 総務担当」。ナニが総務担当だっての(笑)。もう一枚もらった仕事用の名刺には「取締役 東京支社長」っていう肩書があったけど。
 なお164オーナーズクラブ、ホームページのアドレスはhttp://www.alfa164.comですよ。

164Q4には「これ以外ない!」のピレリP-ZERO。
ダンパー特性を変えられる。もうヌケちゃってるけど。



悪妻、ソクラテスを育てる

 164Q4最大の見どころというか味わいどころは、そのズッシリとしたクルマの動きや乗り心地にあるとワタシは思う。

 エンジンの鳴きのよさだけなら、FFのクワドリフォリオでも基本的に同じ世界をタンノーできる。けど、このズッシリ感はQ4にしかない。だいたい、ヨンクはイッキに200kgぐらい重くなるし。クワドリフォリオはけっこうジャジャ馬なんだけど、でもQ4はズッシリ、かつしっとり。それでいて退屈では全然ない身のこなし……というあたりがタマランわけですよ。乗ると。冗談抜き、「キミの瞳に乾杯」(ハンフリー・ボガート)なんてテレもせずいえそうな気分になってくる。エアコンさえ完調だったら(笑)。とにかく濃いのよ。

 

アタリマエっちゃあアタリマエだけど、ヨンクはたんにオモリになってるだけじゃなくて操縦性にも効いている。攻めてもクワドリフォリオみたくフロントがアバれないし、ゴトーさんによると「タイヤは後ろのほうが速く減る」らしいし。あとナニより、「圧雪路面の関越道で、164Q4は無敵です」ってのは大きいでしょう。さすがヨンクで、楽しいだけじゃなくしっかり安全。

 大幅重量増にあわせて、ギア比もハッキリと低くなっている。なにしろ、6段MTの6速はいわゆるオーバードライブではまったくない(6速でメいっぱいかそれよりもっと上まで回して最高速、というエンスーな設定ですよ)。フツーのクルマが2速で回る信号の曲がり角も、164Q4だったら3速でオッケー。専用チューンのV6はヒャンヒャン回るというより荘厳な、それこそ拝みたくなるようなアジのイッピンなんだけど、それの美味しい部分を市街地をフツーに走ってるときでもタンノー可。別に暴走しなくてもいい。タマランですよ。

 ところで。ゴトーさんの愛車が155(後期TSスポルティーバ)だったとき、ディーラーから電話がかかってきたそうだ。いわく、「おクルマの調子はいかがでしょうか?」。ゴトーさん答えていわく、「なんの問題もありません」。そしたらディーラーの担当者いわく、「おかしいですねえ。すぐにもってきてください」。ってこれ、作り話じゃないですよ。そういう感じの体験が75のときも含めて数々あって、それで「すっかり鍛えられた」おかげで164Q4しかもヘーコーもんを平気で買って乗っていられるようになったという。悪妻、ソクラテスを育てる。なんちゃって。

不変(普遍)のアルファロメオ・エンジン(の眺め)。年式相応の状態。
イタリアン・モダニズムの表出。機能的というよりは建築的か。


[Information]
※当ページでは、森慶太氏の試乗車を募集しています。
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