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第14回 イタリアのクラウン、いろいろな意味で LANCIA Dedra


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


値がつかない。ヤフオクで5万円!!

 日本においてランチアは、デルタ・インテグラーレやストラトスを作ったメーカーとしてもっぱら認知されている。あるいは、テーマにフェラーリのエンジンを載せてしまうノリのメーカーとして知られている。で、それはたとえば、クサラVTSとサクソVTSの2台をもってシトロエンの代表とするようなものかもしれない。つまり、かなりムリがある。

 

私にいわせれば、ランチアは要するにイタリアのクラウンだと思う。コンサバで高級で、なによりドメスティック度の高さに通じるモノがある。つまり、セルシオというかレクサスにはなれていないと。もっともランチアの場合、そういうキャラがイタリアの外でロクに通用しないという(アルファとはきわめて対照的な)状況は彼ら自身大いに不本意とするところだろうけど。

 その意味では、今回のデドラも悩めるランチアをよく体現した1台だと思う。兄弟モデルの155と較べて、数年前はそれこそ100万円ぐらい差つけられてたでしょう? 中古車の値段。新車価格も似たようなもんだったのに。それがいまは、値段がつくかつかないかの違いになっているという。格差無限大。冗談抜き、それなりちゃんと使えそうな個体をヤフオクで5万円で買うことだってできてしまうデドラ。ほぼ10年オチのマイナー外車なんてそんなもんよという話もあるけど、でも'94のテーマLSのターボ16V(めちゃめちゃ希少)なんかは市場に出てくればいまでも180万円とかついたりする。そっちでは勝ってんですよね。兄弟モデルのアルファつまり164に。どういうわけか。気持ちはわかるけど。なぜって、私もすごくほしいから。


 デドラやテーマがまだギリギリ新車であった頃、カタログ見ちゃあため息ついてたわけですよ。テーマのね。値段見て「買えないなあ」と。イヤになってデドラのカタログ見て、「俺にはせいぜいこっちか」なんてね。「でもデドラじゃなあ」なんていったりして。クソ生意気にも。見事に美しい姿のテーマと較べて、デドラは見るからにズングリしてたし。もちろん、いまでもしてますけど。

 でその当時は、乗ってもデドラ、いまいちかもっとピンとこなかった。なんというか、よくない意味でイタリアのクラウンだと思った。ヨーロッパのクルマじゃないみたくはっきりロールするし。その点テーマは乗ってもすごくいいと思った。憧れましたね。いつか買いたいっていう意味でも、またこういうクルマが似合うようなオトナになりたいっていう意味でも(どっちもまだできてない)。

LANCIAの美学

 

デドラを見直したというかその真価に気がついた(ような気になった?)のは、わりと最近のことです。雑誌の仕事でリブラ(デドラの後継モデル)に乗って「いいじゃんこれ」と思って、でしばらくして「待てよ」と。これと同じようなよさは、基本的にはデドラにもあったんじゃないか?

 乗り心地はわりと典型的なコンフォート系でロールの感じもいわゆるグラッと系なんだけど、ステアリングのきりはじめの反応あたりはむしろアルファ(156をそのときいっしょに乗った)よりキレがいい。スパッと系。一見矛盾してるような組み合わせなんだけど、そこがどうやらポイントらしい。

 というのは、ドライバーさえその気になれば眉ひとつ動かさず……って感じでクルマの姿勢をビミョーにコントロールできるんですね。こういう組み合わせだと。たとえばの話、大事なお客様を乗っけて走ってるプロの運転手になったつもりで走るとまことによろしい。一見なんの気なしにただおとなしく平然と礼儀正しく運転しているように見えて実は違うという、そのへんが美学ですよ。

 

たとえばノーマルサスの156あたりだと、デカい身振りや手振りをまじえつつときとしてツバとかとばしながら陽気に喋りまくるような感じで運転してむしろちょうどいいぐらいになっている。ステアリングの特性も、あるいはアシの設定も。「このどこかナマクラな感じがアルファはいいんだよ」とか、たとえば徳大寺有恒先生あたりはよくおっしゃるけれど、つまりそういうことだと思う。

 で、そういうアルファとハッキリ明確に違うキャラづけがランチアにはされている。それも、たんにスポーティ指向とかジェントル指向とかいうのよりはもっと深いレベルで。運転してて気持ちがルーズになるどころかその正反対であるところが“イタリアの”クラウン。「わかってるなあ」と思っちゃうわけですよ。世界一クルマ好き運転好きのイタリアならではってことなんだろうけど、でもこれ、普通の人らにはわかりにくいわね。ヘタすると、というかたいていの場合は一生わかんない。まあでも、表面的なわかりやすさ重視じゃ美学とはいえないし。難しいとこだ。


エアコンがアキレス腱

 いささか前置きが長くなりましたが、今回デドラの試乗には概略そのような問題意識をもって臨んだわけです。つまり、リブラに乗って「おお」と気づいたようなよさがこれにもあるのか?という。あったらけっこう万歳じゃないですか。

 

結論としては、けっこうあった。走りはじめた直後は信号の曲がり角とかでいやなグラッを出しちゃって「あっ失礼」だったけど、そこでハタと気がついて(問題意識をもって臨んだんじゃなかったのか?)運転をランチアモードにアジャストして。

 ずいぶん久しぶりに乗ったけど、しかしこの4気筒はデキ、いいねえ。静かだし。下からトルクあって速いし。静かっていうか、上まで回してもイヤな音や振動が出ない。さすがバランサーシャフトつきだけあって。ただし、コンフォート指向の柔らかいマウント+デカめのエンジン(本国だと1.6ぐらいが感覚としては標準でしょう)だからということなのかパワートレインのゆさゆさは油断してるとけっこう出やすい。新車のときからそうだった。注意してても出ちゃうよりはマシということで。

 それと、シートが重厚。たっぷりしてる。モスグリーンのアルカンタラは色も触感も素晴らしい。新車のときから褪せて見えるような(笑)こんな色、日本のメーカーじゃ絶対使えないと思う。趣味、いいねえ。
 あと、アフリカンローズウッドの化粧パネル。よくあるウッドパネルとちがって、表面をクリア塗装でペカペカにかためることをしていない。ツヤ消しというか半ツヤというか。そのへんも、美学、あるねえ。

 

ターボ用の15インチに履き替えてあってしかもタイヤが完全に終わっていたので、乗り心地というか路面のアタリの感じはそれなりガサツ。まあでも、それは交換しちゃえばいいだけの話で。クルマが5万円なんだから、そのぶんお金をかけてあげましょう。というか、むしろそういうクルマこそタイヤ交換すると効果絶大なんだけど。

 なお、オーナーの名誉のために書いとくと今回乗らしてもらったデドラは5万円じゃないです。しかも、ちゃんとお店から買ったクルマ。もっというと、前回(164Q4)と違ってエアコンがちゃんと効いた(笑)。164Q4と違って、デドラ君の場合はエアコンが死ぬとほんとミジメなことになっちゃうから大事ですよ。場合によっては、それこそエアコンの寿命がクルマの寿命であったりもするわけで。

 そういうわけで、デドラはけっこうよかった。オートマのはナンダカヨクワカラナイ系でおすすめしかねるけど、少なくとも今回のは(NAとは対照的な典型的締め上げ系のアシになっているターボはそれはそれでオススメ)。現役退いてからずいぶん年数はたってるけど、ほかのクルマで代用のきかないキャラだし貴重。だって、ちゃんとスーツ着てネクタイ締めて乗りたくなるクルマってこのクラスにないですよ。しいていえばローバー400系ぐらい(笑)。5万円で買えるクルマとしてはもっとない。キレイにしてればデドラ、おかしくないもんね。盛装して乗っても。



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