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第18回 MASERATI、似合うか? Maserati Spider cambiocorsa


【森 慶太】
1966年静岡県生まれ。
筑波大卒。
自動車雑誌編集部を経て96年からフリーランスに。
著書に、「乗れるクルマ、乗ってはいけないクルマ」(三笠書房) 「『中古車選び』これだけは知っておけ!」(三笠書房) 「買って得するクルマ損するクルマ―新車購入全371台徹底ガイド」 (講談社)他多数。最近、子供も生まれ、家も建て、ますます精力的に世界中を飛び回っている。


 22歳で免許を取り、自動車雑誌『NAVI』に入社したときにはバリバリの若葉マーク。
廃車寸前の86レビンで夜毎筑波パープルラインに通い、みるみる運転の腕前を上げていった若き日の森慶太は、それから10余年、今や気鋭の自動車ジャーナリスト。
明快な論点、みずみずしい視点、の森慶太が駆る。イタリア車ははたしてどうなのか。


“カンビオコルサ=レーシング変速”に緊張する

 

 フェラーリやアルファといっしょにまとめてVWグループへ!? ってことで、めちゃめちゃキャッチーなマセラティ。そういうことは全然知らずに、スパイダー・カンビオコルサの広報車を借りてみた。乗ったことなかったというのもありまして。

 カンビオコルサ=レーシング変速はフェラーリでいうところのF1マチック(普通のMTもあり)。エンジンその他もはじめ大幅な“フェラーリ化”を受けた新生マセラティ車のグアイやいかに? カンビオコルサの運転のしかたをコーンズの人に教えてもらって(笑)さあタイヘン、じゃなかったさあ出発。おまかせ変速AUTOモードをオンにして。

 第一印象。慣れないカンビオコルサで縦列駐車状態から脱出するのはちょっと緊張もの。バリバリの初対面だと、ビミョーなスロットル操作がいまいちヘタクソ。クラッチ自分じゃ断続できないし。しかも、すぐ前にビタッと停まってたのがベントレー・アルナージ。すぐ後ろがフィアット・プント君だったのはまあいいとしても、「コイツ運転ヘタクソなんじゃないの?」とコーンズの人に思われやしないかヒヤヒヤだった。思われてたりして。

 

 相変わらず盛大なアイドリング騒音に包まれながらフと気がつくと、これ、シートがめちゃくちゃ素晴らしい。形状といい硬さ(クワトロポルテEVOより前のマセラティと較べると明確にファーム=引き締まり系)といいカンペキじゃないの。テキトーにノリでデザインしてたら、こんなのは絶対に作れない。経験からしてシートの素晴らしいクルマにダメなクルマはないのでモリケータ早くも安心。ていうか、クワトロポルテEVOとほとんど同じシートでした。

 素晴らしいといえばステアリングホイール(やっぱりクワトロポルテEVOのとほとんど同じ感じ)の形状もそうで、特にスポークとリムがくっつくところの裏ッかわの部分がグレイト。絶妙の凹みカーブになっていて、これまたテキトーにノリでデザインしてたら絶対にこうはならないぞ系のわかってる系。その凹みカーブを指の腹でなでながらモリケータ早くもウットリ。長方形と楕円の中間みたいなリム断面形状もイイ。
 あのこれ、クルマ選びに関するささやかな私からのアドバイスですけど、パッと座ってスッと握って「素晴らしい!」って思わないようなクルマはわざわざ買うことないです。基本的に。あえて買っても、あとあと時間のムダになる可能性大。


オープン&ハイスピード領域で世界が変わる

 

 クルマが冷えてたせいもあって、アシの設定は基本的にちょーカタい。ポルシェ911のスポーツサス+18インチと同じぐらいかもっとキツいんではないか。1万3000kmおそらく無交換のピレリP-ZEROもいい感じの5分山、か4分山ぐらいで。もっと雰囲気モンのチューニングになってるかなと思ってたんで、それはけっこうたまげた。益荒男ならぬマセラ男って感じで感心。ノーサスのセドリックの屋根を電ノコで切っちゃう暴走族も、これだったら「シャバいシャバい」とはいうまい。

 そういうわけなんで、街なかをノロノロ走っているとトーキョーの道の悪さを思い知る。首都高の目地段差ははっきりクルマにイタい。マセラティ・スパイダーのボディはいかにも屋根きりました感バリバリで、ベンツSLのようなミシミシ知らずブルブル知らずだとは口が裂けてもいえない。口が裂けたらいえないけどさ。まあでも、これはクルマじゃなく道がいけないよ。ホントに。あるいは、走るべき道を間違えている。

 そういう状況でも、乗り心地は不思議と悪くない。もちろんカタいはカタいんだけど、ブルブルやワサワサが自分の尻の真下まではこないでその周囲でとどまってる感じ。シートがいいっていうのと、あとシートの取り付け部とその周辺の床もたぶんものすごくガッチリしている。そのスジでいう「局部剛性が高い」ってヤツですか。

 あと例のスカイフックの可変ダンパーもたぶん効いている。普通に乗ってるかぎりAUTOとSPORTの違いは体感上けっこうビミョーなんだけど、こういうのってマジメにセッティング出したらこうなるもんなんだと思う。ガバガバかガチガチ(でもアシは基本的にヘロヘロ)で違いが誰にでもすぐわかる以外の利点がほとんどないト○タのTEMSあたりとは明らかにモノが違う。

 周囲の壁関係は屋根切り感バリバリのマセラティ・スパイダーなんだけど、そういう次第でかえって感心させられる。だいたい、このアシでこんだけ頑張ってんだからリッパだよ。エラいよオマエは。
 ただね、このクルマ、幌開けてスピード上げると世界が変わる。“ダダン!”とか“グシャッ!”だった目地段差通過時のショックが“タタンッ♪”になって、頭上から聞こえてた各種キシミ系の音もスッキリと消えて、「あ、こういう状況に合わせてあるわけね」と誰でもわかるようになっている。

 

 低速域だとヤケにガオー系だったエンジン音も、ハイウェイ速度域ではむしろ静かになる。ドライバーに対するクルマの態度もなんというかカルくなって、やっぱこれフェラーリとはキャラが全然違う。状況がヤバくなるほどリラックスするヤツ、みたいな。敵の大砲のタマがガンガン降ってくるなかで悠然とタバコ吸ってる感じ。人間でいうとたとえば勝新(太る前の若い頃の写真見るとほんと美形)。うーんマセラティですよこれは。紛れもなく。ただ、昔のビトルボ時代のクルマと較べるとキャラはすごくストレート。けだるそうにヘロッと乗りたくなる感じはない。

 速いかオソいかっていうと、これは速い。すげえ速い。下からトルク太いし、フェラーリみたいな“アアアアアーッ”がないんで、トンでもない速度に“スッ”とも“ヌッ”ともつかない感じであっけなく到達しちゃう。幌オープン状態で、気がつけばアッという間に時速100マイル超。ひょえー。ちょっと走るだけで精神的にめちゃめちゃいい汗かけるから、わざわざ遠くまで乗りいく時間のない人にもオススメ。もちろん、長距離ツーリングしたらそれはそれで最高だろうけど。
 今回借りて70kmほど走って、返却時に再び満タンにしたら16リッターとか入りやがった。やっぱメガーヌとは違うね。


おトクな価格1,250万円也

 

 たとえばの話、メーカー開催のプレス試乗会でこれに乗ったとする。で、試乗を終えてエンジニアと会話。「やっぱボディ、ユルいすねえ。さすがに」かなんかいうとする。と、「屋根切ったからね」とエンジニア。「で、それでなんか困ったことはあったのか?」。「いや別に」と私。「これ乗って、楽しかったか?」とエンジニア。「楽しかった」と私。「かっこいいだろ?」。「かっこいいです」。「もっと乗りたいか?」。「乗りたいです」。「これ、ほしいか?」。「これ、ほしい」。「じゃあ頑張って仕事して稼げよ」みたいな。そういうクルマです。

 写真で表現しきれてないのがすごーく申しわけないんだけど、とにかくかっこいいのよスパイダー。短くなったホイールベースや、あと真横から見たときのドアの窓と幌の長さのバランス(お約束としては1:1であるべき)もほぼ理想的で。たまんないす正直。これ乗って、伊豆スカ(イライン)まで行って思いっきり走りてー。スカッとするだろーなー。

 値段的にこれ、ポルシェ911のカブリオレやベンツSLとほぼカブるところにいる。で、カネがあったとして3台のうちどれ買うかは楽しく悩める。『CG』あたりで比較試乗やってそうなトリオだけど。あと、そういえば、ジャガーXKRのコンバーチブルなんてのもありましたっけね。あれもいい。要は、そうやって真剣にアレコレ考えられるクルマだっていうことですよ。

 

 ひとついえることとして、その性能とありがたみとエキゾチック度と作られてる数を考えるとマセラティ・スパイダーの日本での価格(1250万円または1295万円)はすごくオトク。だってマセラティ、メーカー全体の年産台数からしてフェラーリ(約4000台キープ)の数分の一でしょう? ポルシェなんて5万台超えてるし。それに、マセラティの内装と較べたらSLなんてガシャポンのオモチャみたいな品質感しかないし、マセラティで標準装備のフルレザー内装(ダッシュボードまでレザー巻き)はポルシェだと高価なオプションだし。

 北方謙三でもいいから(笑)、私ゃこういうクルマの似合うオトコになりたいですよ。ま、ヒザあてのついたスエットパンツでこの原稿書いてるようじゃ先行きは長いね。あるいは暗いね。そういうとっから変えてかないと、将来的にマセラティには繋がらない。

 ああそう、それについて書くことを忘れておりましたカンビオコルサ。要はそのくらいフツーだったってことで。エンジンかけたあとAUTOのスイッチ押しとけば、あとはエンジン切るまでAUTOのまんま。高速道路なりなんなりで必要を感じたときだけ手元のパドルでたとえばシフトダウン(左をチョン)してまた上げて(右をチョン)、なんてやってもおまかせモードは解除されない。そういう使いかたで何ら不満なし。たしか前進5段……だったと思う。調べたら6段でした。失礼。

 赤信号かなにかで減速すると、カンビオコルサ君は順番にギアを落としていって停まる寸前にどうやらちゃんと1速にもエンゲージしている。律儀なタイプ。サスペンションのダンパーをSPORTモードにすると変速プログラムも文字どおりCORSAなものに変わるらしいけど、それは今回試さなかった。きっと、ちゃんとしてますよ。律儀なタイプだから。

 渋滞下の発進停止の繰り返しなんかは正直少しだけ違和感あるんで、その意味では普通のMTとどっちにするかは迷うところだ。ただし、普通のMTだとギアレバーの位置が小柄な人にはちょっと遠いはず。それと、昔のビトルボ系の経験からするとマセラティのMTはレバーの操作感がガギガギしてて必ずしも最高ではない。このスパイダーの場合どうであるかはわかんないわけだけど。だって、ほとんどいないでしょ? 普通のMT試した人。3200GTと同じようなもんなのかいな。だったら別に問題ないよなあ。

 ということで皆さん、ご興味わきましたらぜひショールームいって座るだけでも座ってみてください。マセラティ・スパイダー。展示車両のドアがロックされてないといいけど。



[Information]
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