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*なんとかなる!? ガリキズよサラバ!?
  ガガガッ……。

 イヤ〜な音とともに、ステアリング越しに伝わるあの感触。もうちょっとくらい大丈夫でしょ、なんてギリギリまで寄せた結果の悲劇。あります、あります。いったいなんでこんなところに縁石、 あり得ない! と憤ってみても、これが現実です。

どちらにしても、よ〜く見ればこんなことにならなかったのに。と頭を抱えていてもはじまりません。さっきまで、あんなにキレイだったホイールが、見るも無残にザックリ。

 こんなの直るの?どうなんでしょう。とにかく、やってみるしかありません。不安と期待を胸に、さっそくスタートです。
   


 でははじめましょう。まずホイールは、車から外して作業してください。タッチアップ程度ならそのままでもOKですが、今回は思っている以上にタイヘンな作業が待っています。

 辛い姿勢で長時間の作業、ましてや屋外でとなったら、せっかくの根気も萎えてしまうものです。 じっくりと腰を据え、落ち着いて作業するためにも、まずは準備が肝心です。

ガリキズといっても様々です。今回はDIY、自分でやってみる、がテーマですから、表面がガリッとなってしまったもので作業します。
※リムが歪んだり、ヒビが入ってしまったりなど、大きなトラブルを抱えたものは安全性の面からも、やはりプロに任せるのが鉄則です。




 
 まずは下準備。ホイールの汚れを落としましょう。もちろんホイールの裏側にビッシリこびりついたブレーキダストも、しっかり隅々まで落としてください。そうそう、それからタイヤワックスも。これが残っていると、いつのまにかズボンにPIRELLIなんて文字が、しかも逆文字で転写されてしまいます。これ、いくら洗っても全然落ちないんです(涙)。なんてことはさておき、とにかく作業前のクリーンナップが大切です。

 キズの内部に入り込んだしつこい汚れは、なかなか落ちません。綿棒や爪楊枝なども総動員して、とにかくキレイに。この汚れが残っていると、パテの食いつきが悪く、あとでポロッと落ちてしまったり。そんな悲しいことにもなりかねません。ちゃんとキレイにしてください。



 
 なんとかここまでキレイになりました。

 準備その2はマスキング。次の工程では、このキズをヤスリを使って修正します。その際、余計な部分にキズをつけてしまわぬよう、保護のためのマスキングをおこないます。

 塗装のためのマスキングではないので、それほど神経質になる必要はありませんが、ヤスリがあたりそうな部分、スポーク部分やリムの内側などを保護してください。



 
 まずはこのギザギザ、ゴツゴツしたキズの表面を平面に、という作業です。ヤスリなどを使用して、キズの盛り上がった部分、突き出た部分などをサクサクと削り落とします。リム本来の形状を壊さぬよう、慎重に作業してください。あくまでもキズの飛び出た部分を滑らかにするだけです。少し削っては指先で触れ、確かめながら作業してください。やさしく、やさしく。



 
 表面の突状の部分がほぼなくなったら、次はペーパー仕上げです。深くついてしまったヤスリ目を消すように、滑らかな仕上げを目指してください。ただし、次にパテ盛りの作業になりますから、ここで表面をビカビカに仕上げる必要はありません。パテの食いつきをよくするために、ある程度、表面の荒れも残しておいてください。

ペーパーがけが終わったら、アルミの削りカスをしっかりと取り除いてください。



 
  今回はこんなパテを使ってみました。金属用、ということで、金属の粒子が含まれています。そして屋外にも使えます。硬化速度も適度で、パテ痩せも少ないようです。今回使用したパテは、まずよ〜く練ってからつかうタイプです。内側と外側の成分をしっかりと混ぜ合わせたら、イザ、盛ってゆきましょう。
 
  細かいキズに、しっかりと擦りこむように、指先をつかって押し当てながら盛ってゆきます。多少はみ出ても大丈夫。あとでなんとかなります。



 
  パテが半乾きの状態になったら、はみ出したり、盛りすぎた分を取り除いておきましょう。大まかに、で充分です。パテが半乾きの状態であまりイジリすぎると、パテ全体がポロッとはがれてしまう可能性もあります。ご注意ください。

 さあ、パテも充分に硬化しました。ではまずはヤスリを使ってザックリと余計なパテをそぎ落としてゆきましょう。ガリガリガリガリ、根気勝負のひとときです。ただし、あまり気合いを入れすぎて、余計なところをガリッなんて削ってしまわないようご注意ください。
 
 ホイール本体表面にうっすらとパテが残るくらいまで削り落としたら、次はペーパーがけで仕上げてゆきます。



 

 ペイント前の最終仕上げ、ペーパーがけです。耐水ペーパーを使ってしっかりと。200番台の粗めのものからはじめ、600〜800番台で仕上げるつもりで、ひたすらサクサクサクサク。忍耐、忍耐、そして忍耐のひとときです。この行程が最後の仕上がりに大きく響いてきます。

 磨いては指先で触れ、細かなキズを見逃さぬよう、しっかりと作業してください。もし万が一、埋まっていないキズを発見したら、もう一度、パテを。「まあいいや。」は、心を鬼にして封じ込めてください。やっぱりこのキズ、目立つよ……、なんて完成してからじゃ遅すぎです。

これでよし。納得の表面仕上げができ上がったら、ペイント前の大掃除。表面の油分やゴミ、パテの削りカスを、徹底的に取り除いてください。せっかくキレイにしたのに、汚れた手でペタリ、にもご注意を。

画像右側、表面が黒くなっている部分が、パテで埋められたキズです。




 
  さあ、いよいよペイントです。とその前にマスキングしなきゃ。タイヤ全体を覆うくらい大きなサイズの紙を用意しましょう。もちろん新聞紙などでも大丈夫ですが、あまり薄いと、すぐに破れてイラッとしてしまいます。ちょっと厚手のもののほうが、安心です。

 全体に被せ、ホイールのラインに沿って指を押し当てながら1周、型取りをしましょう。そのラインに沿ってカット。内側も外側も、両方マスキングに使いますから、バリバリッ、なんて破いて捨てないようにご注意ください。

 まずは内側。切り取ったものの外周を1〜2cmさらに切り落とし、ホイールの外径より若干小さめに仕上げます。あとはリム内側にピッタリとマスキングテープで固定してください。スプレー塗装しますから、隙間なくしっかり固定してください。思わぬところから塗料が流れ込んであとで(泣)なんてならないように。

 そして外側。タイヤとリムの隙間にしっかりと押し込むようにして、こちらも塗料が流れ込まないように注意が必要です。マスキング紙の裏面にスプレー糊などを吹いておくと密着しやすくなります。
 



 

 さあ、それではいよいよペイントです。まず最初にポイントをひとつ。くれぐれも焦らないこと。じっくり、少しずつ、がとても大切です。この行程は全3種のスプレーを使います。まずは塗装の密着度を高めるためにサーフェイサー。乾燥後、シルバー。そして最後にクリアーという順番です。

  画像ではシルバーの行程のみ掲載していますが、どのスプレーも、最初はごくごく軽く、塗料が表面に薄くかかるくらいでやめておきます。塗装→乾燥→塗装→乾燥→塗装……。つい焦って一気に塗ろうとして吹き過ぎると、あっというまにタレが生じます。この修正、ほんとにタイヘンです。くれぐれも焦らずに、少しずつ、が基本です。

状況にもよりますが、4〜5回で仕上げるようなつもりで塗装してください。どうです、キレイにできましたか?そしたらあとは、じっくり乾燥です。ここでしばし、休憩しましょう。

 



 
 休憩おわり。そろそろ乾きましたか?周囲のマスキング部分に付着した塗料がベタつかないからって、調子にのってはいけません。周りは紙ですから、ホイール本体より早く乾燥します。どれどれ、なんて指で触った瞬間、指紋がベッタリ。涙、涙です。もうちょっとだけ、休憩しましょうか。

 はい、乾きました。それではいよいよ、運命の一瞬。完成の時が近づいてきました。マスキングを剥がしましょう。

ジャジャーン! どうです……か?



 

 どうでしょう。なんとか見られる程には修正できているのではないでしょうか。やはり難しいのが色あわせです。比較的簡単なシルバーといっても、やはり濃淡の差がでてしまいます。が、それはご愛嬌ということで。少なくともさっきまでのギザギザ、ザクザクにはサヨナラできましたから、これでオッケーです。

 とは思うんですが、反省点をひとつふたつ。まずはなんといっても下地処理。滑らかな下地作りが本当に大切です。周りがキレイになった分、ちょっとしたキズが目立ってしまいます。これでもか、これでもか、とキズを追い込んで、手をかけてやった分、その仕上がりはグングン美しくなるはずです。もうひとつは、やはり色。表面の質感はクリア塗装でなんとか問題なく仕上がってます。が、色味的にはやはり市販のスプレーでは限界があります。なんならエアブラシでも持ち出して、色あわせからジックリやりたくなってきます。

 まぁ、顔を近づけてじっくり見なければわからない程度には仕上がっているはずです。ましてや走ってる最中は、ホイールはグルングルン回ってるんですから。ちょっとの色の違いくらい、誰も気付きません。  
 


 お疲れさまでした。本日の作業、すべて終了です。仕上がりはいかがですか? 今回の作業、とってもタイヘンだったはずです。

  思っていた以上にキレイに仕上がった方も、そうでない方も、ひとつだけ実感したはずです。「もうガリキズは懲り懲り。」ってね。

目視でしっかり確認、駐車時の鉄則をお忘れなく!

Do It Yourself コーナーでは「こんなことをやってほしい」、「これを付けてみて!」等々、皆様からのリクエストをお待ちしております。    Do It Yourself リクエスト











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