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やってもうた……
クルマ雑誌を読んでいると、必ず出てくる言葉の一つ、「剛性」。いわゆるボディカッチリ系の、ドイツ車インプレッションには特に欠かせないキーワードです。しかしながら、ちょっと前までの我らが愛すべきイタリアの車には、あまり似つかわしくない言葉でもあったようで、はっきり言ってしまえばイタ車はユルユル系の代表格のように語られています。
確かにちょっとキツ目の道路の段差を超えただけで、カッチリ系なら「タタンッ」と軽快にいなしていくところを、「ダダダッビビビ……」だの、「ミシッ」だの、なんだか冷や汗が出そうな音が聞こえてきがちです。中にはドアのたてつけが明らかにアヤシくて、軽くジャッキアップしただけなのに、ギィ〜なんて音立てたりするクルマもあったりして。
その昔、Pandaに乗ってたときのことです。いわゆるダブルサンルーフではない鉄屋根だったんで、まだカッチリ感はあったんです。というより、別に剛性不足を感じるようなことなんて、ひとつもありませんでした。ほら、余計な装備品なんてな〜んにもついてないですから、ビビリ音なんて出ようもないし。でも雑誌で目にする「剛性感」がいつもアタマの片隅でグルグル。いつしか、剛性が高まればきっと途方も無く良いことが起きるに違いない、そんな強迫観念にもにた妄想を抱くまでになっていました。
そんなある日、いわゆる国産車のイジリ系雑誌をパラパラ。と、目に飛び込んできたのは「カンタン剛性アッププロジェクト」の文字。おいおい、なんだコレ!すぐに飛びついたのは言うまでもありません。それは、いわゆるレーシングマシン作りの基本、スポット増しにヒントを得た方法でした。もちろんスポット増しなんて誰でもカンタンにできるものではありません。というわけでスポット増しモドキとして掲載されていたのがなんと「リベット留め」。要はドアやリアゲートなどの開口部に、スポット増しの代わりにリベットバンバン打ってしまえ!というものです。
さっそく近くのホームセンターに買いに行きましたよ、リベッターと呼ばれる、ホッチキスの親分みたいなやつと、おびただしい量のリベット。で、さっそく作業開始です。リアゲートのウェザーストリップを剥がし、まずはリベット用の穴あけから。グリングリンとドリル大活躍です。穴を開けてはリベットを打ち、の繰り返し。ようやく半周というところでふと我にかえり、まじまじとクルマを見れば……。
なんかヘヴィメタの人のベルトみたい……
あのPanda、今もどこかで元気なんでしょうか……。
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12:35 by ジョナタン |
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