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掃除、洗濯、ハエとの戦い
こんなことを言ってはなんだけど、イタ雑女子の誰よりも僕は掃除が好きである。一般的な整理整頓は趣味のようなものだし、もっとドメスティックなところでは、洗濯、アイロン掛け、料理及びその後片付け、換気扇の油取り、そして靴磨きと、およそキレイにする行為というものはすべからく好きである。ちょっと異常か、と時に自分を疑いながらも、イタ雑バールでエスプレッソを淹れながら、目ざとく冷蔵庫の扉を拭いたりするんですね、いつも。
これはおそらく生まれもった性格によるのだとは思うけど、それ以外にも育った時代とか、あるいは家庭とか、そういうものも結構大きいんではないでしょうか。なにしろ日本がまだ貧しい時代に子供やっていたので、「モノを大切にする」というのが金科玉条の教えとして燦然と輝いていたし、それにもまして我が家では、「ただいま!」と言うと「お帰り!」ではなかったです。「お風呂場!」というおふくろの声が返ってきましたから。つまり、風呂場で足をまず洗え、ということなんです。じゃないと部屋には入れなかった。すごい家でしょ。
で、そういう文化的背景というか家庭的背景というか、そういうものを染み込ませた僕はイタリアでも掃除ばかりやってます。整理整頓のために棚なんかもガンガン作ってます。ユーロ高へのささやかな防衛ということで食事もほとんど自分で料理してますけど、これだって片付けるために作ってるのかというぐらいに、料理しながらどんどん洗い物なんかやっています。これ完璧な主夫ですね、我ながら文句の付けようのない主夫だと思いますよ、一人暮らしの。
でもね、コレってとっても疲れるんですね。だから時々、タバコの灰を無造作に事務所の床(石の床です)に落として知らん顔してみたり、ベッドを起きた時の状態のまま放っておいたりと適当にバランスとってますけど、それはそれで「やるべきこと」として頭の中にインプットされていつまでも覚えてますからね、やっぱり疲れます。最近はそれに加えてハエとの格闘が始まりました。イタリアは至る所にゴミ箱があって、ゴミの収集とか処理とかがユーロは高いくせに日本より100年くらい遅れてるので異常にハエが多いのです。窓を開けるとすぐにハエが入ってくる。イタリアのハエはこの国の一部の人に似て妙に人懐っこくてやたらと頭とかにとまるので、なおさら頭にきます。
まあ、そんなこんなでさっきハエを追っかけてたら、テーブルの上のコーヒーシュガーをひっくり返しました。テーブルから床から砂糖をぶちまけた状態になっています。Ferrari60周年どこじゃないんだよ!と自分に一声かけて、これからまた掃除です。つまらない話ですいません。やっと日が暮れて外が暗くなりました。ハエが掛け時計の「2」のところで悠々と羽を休めているのを今発見しました。輪ゴムで撃ち殺してやります。
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11:32 by サンサロ |
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