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アメリカンドッグ
3月と言えばいろいろ慌ただしい月ですね。学校では卒業式があり、会社では転勤や異動と、別れや出会いが世の中の様々な場所で繰り広げられていることでしょう。春というのは心が軽やかになる季節ですが、反面その心の置き場所がどこかふわふわしているような、なんとなく落ち着きのない時間が流れていたりします。
イタ雑も今年14年目。これまで数多くのスタッフがここで仕事を共にしてきました。あいもかわらずイタ雑一筋で毎日を送るスタッフの傍らで、それぞれ別の道を選択し、ここを離れていくスタッフもいます。2008年の3月を迎えて、イタ雑ではぴろりが新しい道を歩み出しました。
2003年7月。イタ雑の現店舗への移転と同時にぴろりは仲間に加わりました。その開店の日、店の前でお祝いの花に埋もれる入口を見ていた僕に、四谷三丁目方向から歩いてきた彼女は「これ些細なものですけど……」と開店のお祝いを差し出しました。ひねくれ者の僕が「そういう時は『些細な』というのはおかしいよ」とからかったのは言うまでもありませんが、超絶多忙な新店舗開店直後の嵐のような状況の中で、こうしてぴろりのイタ雑での毎日がスタートしました。穴の開いたスニーカーを履いていたぴろり、長時間の仕事がとても辛そうだったぴろり。でも、やがて彼女はみるみる変貌し、イタ雑になくてはならない存在になっていきました。
あのスタートの日からのこの約5年間、お客様皆様に彼女は育てられました。大雑把なくせに、でも繊細なところもありましたから、ぴろりは皆様から与えられたもの、一つ残らずよくわかっていると思います。それを心の糧に彼女がこれからの自分の生き方をしっかりと織り上げていくと、僕は信じています。ぴろりはちょっと辛くてここでお別れを言うことができなかったと思いますので、皆様、彼女に代って御礼申し上げます。可愛がっていただきました。ありがとうございました。
そして、ぴろり、ここに残っているイタ雑のスタッフ、みんな寂しがってるぞ。コンビニから出てくるなり、新宿通りでアメリカンドッグを豪快にかじっていた君の姿、もう一度最後に見たかったと、みんな残念がってるよ。がんばれ、ぴろり! 負けるなよ!
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10:05 by サンサロ |
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