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父との思い出
わたしにとって、クルマとの思い出といえば、クルマを掃除している父親の後ろ姿です。クルマに乗る前はいつも小さな掃除機でシートの間のゴミをこまめに吸い取って、手垢ひとつなくピカピカに車内を磨き上げていました。いまでもその姿が目に焼きついています。もちろん、ボディーを磨き上げることにも余念がありません。休日には丹念に洗ってあげたクルマに乗って飽きもせずにカーケア用品や、芳香剤、そしてタイヤまでよく見に行っていました。
「おい、●●(ぴろりの本名)! ブリヂストンはなんでブリヂストンって言うか知ってるか? 考えてみろ」 クルマの中では、はたまたこんな会話。クルマを降りるときには、「ちゃんと隣のクルマにぶつからないか、気をつけるんだぞ」なんて、真剣な顔で言うから、子供心に何があってもぶつけちゃいけない! と思って、恐る恐る降りていたことを覚えています。怖かったんですよ、あの時の目が(笑)。うちの父親は、「イタリア車=外車」と言ってしまうような可愛い人間ですが、いま思うととてもクルマが大好きだったんだなぁと思います。
店内で家族連れのお客様を見ていて、自分の子供の頃の記憶がよみがえりました。きっとあの子たちも大人になったときに、イタリア自動車雑貨店でペダルカーを買ってもらったことを思い出すことでしょう。イタリア車に乗っているお父さんなんて憧れちゃうけど、うちの可愛い父親もそれはまた愛おしいなぁ、なんて思う今日この頃です。
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11:01 by ぴろり |
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