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シューマッハのお皿
ここトリノで暮らしていて、日本にいるときと何がいちばん違うかって、それは食生活にとどめをさすと思うのですが、僕はイタリア料理がそれほど好きではありません。まあ、嫌いではないけど、別に1年間パスタやピザを食べなくたってなんてことはありません。日本食の方が圧倒的に好きです。
ということで、ふだん毎日の食事は基本的にお米を炊いて、和食もどきを料理して済ませています。レストランなんて円安ユーロ高もあるけれど、ここ2、3年の驚異的な料金高騰のためにめったに行きません。リラの時代に400円もあれば食べられたピザも、今では1000円近くするのです。
ただ、自炊の食卓に欠かせないのがAPERITIVO(食前酒)です。日本ではそんなものまったく飲まないのに、こちらにいるとそれがとても楽しみになります。MARTINIの赤、それからCAMPARI、そしてちょっとめずらしいクロアチア産のBISKAという食前酒を常備しています。好みは圧倒的にCAMPARI。MARTINIは僕には甘すぎるし、興味半分に買ってみたBISKAはなんとアルコール度数40度! これじゃ食前酒で泥酔です。
ちなみに、APERITIVOとは中世ラテン語を語源とし、原義は「排泄の道を開く」ということらしいです。食後酒はDIGESTIVO。まあ、これは「消化」ですね。冬のこの時期はGRAPPAをキュッと一杯ひっかけてレストランから外に出ると、ホカホカして気持いいです。行ってないですけど。
飲み食いのお話をもうひとつ。マラネッロのリストランテ・カヴァリーノ。Ferrariの正門前にあるレストランで、ご存知の方もたくさんいらっしゃると思います。シューマッハもマラネッロに来ると、必ずモンテゼーモロらと連れ立って食事に立ち寄るといいます。そこで彼が注文するものは、いつもきまってスパゲティ・ペペロンチーノ。いちばん安価なパスタです。それが大好物のようです。だから、かのリストランテ・カヴァリーノではスパゲティ・ペペロンチーノを「シューマッハのお皿」と従業員たちは呼んでいます。
皆さんがもしマラネッロに行かれて、リストランテ・カヴァリーノで食事をすることがあったら、是非、言ってみてください。「シューマッハのお皿を」と。きっとニヤリと笑って、とびきり美味しいペペロンチーノを持って来てくれると思います。
追伸
今日(2/8)現在、トリノではまだ「オリンピック準備中」です。市の中心部のイベント会場となる広場は、まだ穴ぼこだらけです。あと10時間くらいで聖火が市内を走り始めるというのに、ここにいるとほんとにオリンピックやるのか?という気持になります。荷物が遅れるなんてことは、やっぱり全然たいしたことではないようです。が、ガンガン急かしています。次の更新、お楽しみに! Ciao!
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11:18 by サンサロ |
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